当院で行っている治療について説明します。
主に行っているのは、精神療法と薬物療法です。
その他生活指導なども適宜行っています。


精神療法とは

人間の精神を対象として、そこに働きかけ、絡まりもつれ、あるいは疲れた精神を解きほぐす治療法。
主として言葉を用いて、時には表情や態度なども参考にしながら、その人の現在の精神状態を知り、
現在の精神状態になった過程を知り、
より健康的な精神になれるよう回復の道程を探っていくような作業。


薬物療法とは

薬物を用いて、主として人間の脳に働きかけ、より健康的な状態になれるよう働きかける治療法。
内服(飲み薬)が主となりますが、時に注射を行うこともあります。

人間の脳は多くの神経細胞の集まりで構成されています。
個々の神経細胞はそのデータのやり取りを化学的な方法、
すなわち化学的神経伝達物質を介して行っています。
人間の心が病んでいるときには、脳の中の神経細胞の化学的神経伝達物質の働きが
いびつになっていると考えられています。
神経伝達物質にも多くの種類があり、セロトニン系、ノルアドレナリン系、ドパミン系などがあります。
たとえばうつ状態や、不安あるときにはセロトニン系の働きが不活発になっていたりします。
薬物はこの化学的にいびつになっている神経系の働きをより正常にするよう働きかけ、
効果が出ていると考えられています。

「心の問題が薬で解決する訳が無い」と思う方もいるでしょうが、
心(精神)の基礎となっている脳細胞に働きかけることで、
アンバランスになっている脳の働きを改善し、心(認識)をより健康的にすることが可能なのです。
もちろん薬物ですべて解決する等とはいえません。薬物も使用しながら、
心理的な問題や現実の問題となっている種々の問題にも取り組みながら治療は行われるものです。
そういった重層的な治療イメージを持っていただけると、
薬物療法と精神療法、身体的治療と心理療法の関係が分かりやすいのではないでしょうか。